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帯状疱疹ワクチン

[2024.11.09]

こんにちは。かず内科クリニックの院長なかむらです。

このブログでは日常診療で患者さんからよく質問されることなど、診療で私が感じたことなどを書いていきたいと思います。

今回はシングリックスです。シングリックスとは帯状疱疹ワクチンです。

帯状疱疹とは、子供のころに感染した水ぼうそうウィルスが、長年、神経に潜み、加齢や免疫力低下により神経の分布に沿って、水疱(すいほう)を伴う紅斑ができる病気です。

通常、紅斑の前に痛みを生じることが多いです。紅斑の後、水疱ができ、痂疲化(かさぶた)します。

紅斑は通常、きれいに治ることが多いですが、頑固な神経痛だけが残る場合もあります。

神経痛が残る人の割合は、発症30日後は30%、60日後は20%、90日後は12%、1年後は4%と言われています。

特に顔面領域にできた帯状疱疹は失明、顔面神経麻痺、難聴の原因になりえます。

帯状疱疹の予防は、今までは、小児期に接種する水痘生ワクチン(ビケン)を成人に接種するしかありませんでしたが、生ワクチンのため免疫抑制剤を使っている人や、妊娠中の方は接種できませんでした。

現在はより効果の高いシングリックスというワクチンがあります。

50歳以上の方で3年間追跡調査を行った結果、シングリックスを接種した7344人は6人しか帯状疱疹が発症しなかったのに対し、接種しなかった7415人には210人に帯状疱疹を認めました(有効率97.2%)。

生ワクチン(ビケン)の有効率は、
50~59歳:69.8%
60~69歳:64%
70~79歳:41%
80歳以上:18%
有効期間は5~7年です。

シングリックスの有効率は、
50~59歳:96.6%
60~69歳:97.4%
70~79歳:91.3%
80歳以上:91.4%
有効期間は11年以上です(現在も追跡調査中)。

上記のようになっており、年代により生ワクチンの有効性は極端に下がることがわかります。

シングリックスは帯状疱疹にとても有効ですが、問題は価格です。当院では税込み22000円(2か月空けての2回接種なので44000円かかります)で行っており、神戸市の助成があれば、1回目は18000円、2回目は22000円になります。

これは医療機関がぼったくっているわけではなく(;^_^A、単純に仕入れが高いためです(;^_^A
ちなみに、新型コロナワクチンも仕入れ価ががすごく高い上に、2人で1バイアルですので、1人接種して残ったものを捨てると大赤字になってしまいます・・・( ;∀;)

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